当社は創業以来百余年にわたり、顔料や化粧品材料をはじめ、樹脂添加剤、触媒、電子材料など、時代の流れを読み取り、多岐にわたって事業を展開してまいりました。
人々の生活は時代とともにも移ろいゆきますが、このたびの新型コロナウイルスとウクライナ情勢は、政治・経済・文化など、あらゆる面で大きな変化をもたらしました。世界はグローバル化と分断とが複雑に進行し、危うさをはらんでいます。しかし、このような時代だからこそ、私たち産業人は事業活動を通じて平和で幸福な社会を 実現してゆかねばならないと、思いを新たにしております。
そのためには、私たちは常に変化し続けなければなりません。もはや既存事業の拡大路線だけでは、業容拡大はできても収益はやがて下降線をたどるでしょう。将来を切り拓くべく、一層活発に議論を行い、テーマの選択と集中を繰り返しながら開発スピードを上げ、新規開発品の早期貢献を製販一体となって実現してまいる所存です。 そして、2021年5月に発生した湯本工場爆発火災事故を心から反省し、社員や協力会社が安心してものづくりに専念できるよう安全な労働環境を整備してまいります。
一方、今や脱炭素とカーボンニュートラルの取り組みは世界共通の責務となっています。当社におきましても、2030年までのマイルストーンを定め、計画的に進めるスタートを切りました。CO2の排出抑制に取り組むと同時に、新たな事業を創造する機会と捉え、脱炭素に貢献できる製品開発に注力してまいります。
「化学でやさしい未来づくり」を実現するため、サステナブルな存在として社会に価値を提供し続ける「一本筋の通った堺化学」に、これからもご期待ください。